トップが語る。 「iii@oec アイアットOEC 取締役社長 齋藤 忠幸(「元気で明るく頑張ってください。それが一番大事なことだと思います。」) × OEC 岡山情報処理センター 取締役社長 森 俊之(「私はこういう事をして、こういった感じを持ちました」と言えるような生活を送って下さい。」)

OECグループは、岡山に本社を置き中・四国地方に店舗を展開する天満屋百貨店のグループ企業です。OECの森社長、アイアットOECの齋藤社長はともに天満屋百貨店で社会人としての第一歩を踏み出しました。対談は、両社長の学生時代の話から始まります。


社会人として働くということ

森:

私は岡山に帰って仕事をしようと考えていました。

今時の自分たちの子供の世代とは違って私たちの時代は地元に帰るもんだという考えがあったから、例えば東京に本社がある商社系だとかは初めから受ける気はなかったです。

その当時モラトリアム(支払猶予期間)という言葉があって、大学4年間で色んな事を考えて、自分の人生を決めるのに4年間の執行猶予期間みたいなもので大学に行ったというのもありますね。

写真:森社長  
   

私たちの時代の就職試験は大学4年の7月くらいだったのですが、試験勉強よりもサッカーばかりやってたので、大分出遅れた感はありました。

天満屋を受験したのも、机に座って、仕事をするのは性に合わないと思っていましたから、百貨店だと立ち仕事で自分に合っているのかなと思ったところがありますね。

写真:齋藤社長  
   

齋藤:

私は岡山にある企業を希望していました。

夢があって、野球選手になりたいサッカー選手になりたいと言ってなれる人はほんの数パーセントで、その仕事に就きたくて就けた人は余りいないんじゃないかな?

幸か不幸か分かりませんけど、ほとんどの人が地方に帰って貢献しなければいけないとか、お金を稼がないといけないと言った理由で仕事に就きますが、むしろ仕事に就いてからそこに面白さを見出したり、好きになったりということの方が私は大切だなと思っています。

私も婦人服が売りたくて入社したわけではなかったのですが、新入社員で入って色々な仕事をやりながら、それを前向きに考えるということが大切だったと思っています。入社して1年目で1億円のバイイングをさせてももらうとか、これは面白いなと思い、自分で工夫をしていって、どうしたらいいのか?とかシステム面では今までのシステムとは違って現場の人がどのようにしたら楽になるんだろうか?と考えだすとそれが、楽しくて面白い。色んな仕事もやりました、面白くない仕事もやりましたが、なんとか面白くて好きになれるようにするのはやっぱり個人。自分自身だと思います。

IT業界の現状とOECグループの将来について
写真:森社長  
   

森:

この業界は非常に変化がはげしい業界なんだけれど・・・。

昔は10年先の事を語ったら当たらないと言われる時代でしたが、今は3年先の事を語っても多分当たらないだろうなという気がしています。

あまり、大上段振りかぶって物をいう気はないんですけれども、今クラウドの時代と言われていて、それが浸透するのかどうなのか分からないけれども、ただ、今までと違って商売のやり方が、若干変わってくるんだろうなと。でも、今までも変わってきたし、メインフレームからオフコンの時代があって、クライアントサーバになってと変化して来ましたから今後も同じように変わるんでしょうと。

ただ、スピードとか変化の幅っていうのは大きくなるのかもしれませんねえ。

でも、それが変わるからと言って恐れていても仕方がないし、まあ変わるのは必然だからそれにどう対応していけるのか?ということだけだろうと思います。

その中でOECというのは、どちらかと言うとお客様の困りごとを、システムを通じて解決しましょうということで今までのように年間に1回ドンと億単位で売上が上がりますという時代から、使用料や利用料を頂くという事に変わるのかもしれません。

その中で一番大切な、お客様との親密な関係というのは今までもそうだったし、逆にこれからより一層そこが必要になってくるのかなと思います。お客様との関わりというか親密度といか信頼度というか、そこを増していくというような事をやって行かなければいけないし、そこを押さえておけば、まあクラウドになったとしても多分生き延びていけるのかなと思います。

写真:齋藤社長  
   

齋藤:

森社長が言われたように。10年先の事は言っても多分当たらないだろうし、3年先の事でも分からない。本当の事を言うと毎日毎日一生懸命やっていくしかないのではないでしょうか。そうやって昨日より今日が改善できれば1番になるようなサービスが生み出されるんじゃないかなと考えています。

それとクラウドの話が出ましたけど、これって言われたから今年からなるという訳ではありませんが、そういったものに飛び込んで行って対応しないといけないんだろうなと思います。

実際googleだとかSNSだとかはそこに入らないと分からないことが非常に多くて、環境は変わっているんだけれど、例えば新聞の広告が全然小売なんかだと効かなくて、検索エンジンだとか、SNSの口コミだとかブログの影響が非常に大きくなってきている。

こういったことはそっちの世界に入らないと分からない事だと思うんですよ。

何かしらないけど、売上が減っていると感じになってきて、「なんだろ?なんだろ?」と。

今の世界の中だけじゃ分からないんで、そういうところへとにかく入っていって、 「ああ、こういうもんか」と事が分かるのが大切だろうと。

ただアイアットOECの場合も人が汗かいて仕事を行っている部分もあるので、バランスを取りながら時代に合わせてやって行かないといけないと思っています。

iPhoneのアプリを初めてアイアットで開発したんですが、これだってApple Storeに登録することがどういう事なのかが分からなかったんですが、一度登録して見ると、アプリが出た瞬間に色んなサイトが宣伝してくれるんですよね。お金も払っていないのにどんどんと。

無料のアプリなのでどんどんダウンロードされて、1カ月で2万ダウンロードされました。無料アプリで2位まで行って、残念ながら1位にはなれなかったんですが。

これもやってみないと分からない事でした。今までのやり方だけじゃ難しいなと思いました。どんな小さなことでもいいので日本で1番になりたい事と海外へ進出するのは個人的な目標に置いています。

 

失敗を恐れずにチャレンジしたい
写真:森社長  
   

森:

海外進出と言えば、例えば製造業や自動車会社のようなメーカー本体が中国とか東南アジアに出て行くということはそこの下請けさんや協力会社さんも付いていくのか、日本国内に残ってジリ貧の道を選ぶのか、というような選択を余儀なくされたように、OECも相手先が海外に出て、日本の百貨店の数はどんどん減ってるといった時に、我々は百貨店を相手にして商売をするんだと言った所で日本の中に残っているだけだったらジリ貧になりますよね。

ところが、中国へ百貨店だとかショッピングセンターだとかを日本企業が作りましょうと言って出て行くことになると、その周辺のIT絡みをやっていた会社としては、そこについて行って出るという事で一つの商売のチャンスが広がる可能性がありますよね。日本にいるだけだったら、店舗の数、会社の数が減るんだったら、商売のチャンスは増える事はないんだよね。

だから、他所の同じような会社を蹴落とせば仕事の数は増えるという理屈もあるんだけれど、それは大変な事だから、可能性としては出ていった方がビジネスのチャンスとしては広がるんじゃないかなという思いを持っています。それに伴う投資と言うのは製造業の場合だと土地を確保して工場を作るために建物を建てて、設備投資を沢山してという風になるんですけれど、我々の場合だと人とパソコンが何台かあれば行けるという事で、はなから100人を連れていくとは考えてないですから、失敗したからと言って屋台骨を揺るがす事にはならないと思うので、恐れずに一回チャレンジしてみたいなと思っています。

齋藤:

多少リスクを抱えても挑戦しようと思っています?

森:

国内に残ったまま挑戦するよりは、リスクが少ないんじゃないかと思っています。

齋藤:

確かに、日本にいたら、どんどん人口が減って行き、いかなる産業も外へ出て行くか、もしくは今のやり方を変えて、同じもので違う市場へ出るか、ビジネスのやり方を変えるかどちらかだと思うんですよ。

iPhoneのアプリだって作ってみないとどういった障害があるのか分からなかったので、 海外進出も、国によってビジネスのやり方が違うだろうし、新しい所へいってやってみないと分からない。
またそれが面白いと思います。

それって新しいお客さんを作るという事ですし、企業の目的は新しい顧客創造であるという事ですから。

森:

それと、海外へ出るときはうちは横綱でもなんでもないので、大企業の様に自分で調査をして自分で土地を手配して、何でもかんでも自分たちでやってみますよと言う、そんな気は更々なくて、我々の力でいくと前頭くらいなもんなんで、他人と協業しながらやっていく。中国に行くんなら中国の人と組んで、なんとか旨い汁を吸おうというのが基本的な考え方なんで、一から十まで自分の力で自分の色を出してやろうというような事ではなかなかうちの実力じゃ難しいんだろうなと思います。それは中国の協業先とうまくコラボレーションしながらやっていければなあというのが、考え方のベースにありますよね。

 

トップとしてOECグループに求める人材
写真:齋藤社長  
   

齋藤:

最近は考えが変わりまして・・・。

前は色々と期待する面があって、考えの視点が違うとかそういうのも考えていましたが。
最近は素直で誠実な人がいいですね。明るく楽しく素直で誠実、ですね。

昨日マネージャーの勉強会がありまして、その中でマネージャーの役割とか仕事と資質というものが取り上げられたのですが、その資質の中に1つを除いては後から学べばできますが、1つだけ持たないといけないものがありますと書いてあって、それは真摯さ(integrity)ですと言う事だったんですね。

一貫した正直さとか一貫した誠実さとか、それがないと人間社会なかなか難しいという事だろうなと。
だから明るく楽しく素直で誠実な正直な人(笑)

森:

言ってしまうと身も蓋もないんだろうけれども、例えば同期が10人いるとして、その中で将来役付きになる人間、部長になる人間は1人はいない、課長は3人位だろうけど。

世の中では2:8(ニッパチ)の原則というものがあって、2割の人間が優秀で、8割の人間が平凡と言われてますが、その8割の平凡は凄く偉大なんだよね。逆にいうとその8割の平凡なまじめな人達が会社を支えていると言ってもよくて、2割の人はどちらかというと閃きとかかってな事を言っているという事も言えなくはないんで、そういう事を考えると毎年毎年の学生さんでいくと本当に真面目な人、前向きな人がいいよね、と思います。それでたまには変わったやつがいればいいのかなと・・・。

ただ、今まで社長を6年やってきて、採用試験も出ましたけど中々そういう一風変わった人間というのは私たちでは取れないよね。なので基本的にはまじめで明るい人が第一条件かなと思います。

齋藤:

OECは毎年、新卒採用も中途採用も実施していますよね。

即戦力採用についてはどの程度の人数で、どのような人材を求めてますか?

森:

企業の社会的責任と言う事から考えると、新卒を採用しないというのはないですよね。

OECグループぐらいの規模で、利益を出させて頂いている会社の社会的責任としては。
来年度がきついからゼロ、良さそうだから20人とかではなく。安定して10人前後は採用したいなぁという感じですね。未来永劫いいのなら20人ずっと採用するぞと言えるんだけれど、そうはならないんで。現在300人規模の会社ですが、これを400人規模を目指して毎年10人ずつ増やしていこうとなると20人近くを毎年採用して、その中から脱落する人、卒業する人がいてとなるんだろうけど、なかなか400人規模は目指せないです。

齋藤:

企業の雇用と言うのは目的の一つでもあると思うんですよ。

雇用と納税、それにより地域への貢献と企業の価値があり、そういう事があって地域の方の後押しがあり、成長していくという事だろうと思うのです。安定して採用できればいいんですけれど、業績というものもありますから、不必要に採用しすぎると業績が悪化して今いる人の雇用や賃金を圧迫しかねないし、バランスとして難しい部分があると思うんです。

ただ全体として人を雇用している事は、企業の目的としても責任としても重要な事なので、バランスを取って柔軟に状況に応じていけたらなと思っています。

森:

新卒採用では残念ながらOECグループでは岡山県の高校を出て、大学は東京の大学へ行くという人で、岡山へ帰ってきてOECに入っている例はほぼ皆無、と言う事になってます。大学を東京で選ぶという人は就職も東京でという志向が強いと言う事で、残念ながらうちの力では、そうなのかなと・・・。
ただそういう人たちも、何年かの後に家庭の事情とかで、岡山へ帰ってきたいという時には受け入れるだけの柔軟性は持っておきたいと思っています。トータルでの人員構成比は8割が新卒で採用した人、2割が中途で採用した人、例えばそういうバランスであると言う事は、それはそれなりにいいのかなと思います。

大手メーカーのように全国から、うちの会社に入りたいという規模であれば、新卒の割合が非常に高くて、逆に何年かのうちに他へ出て行くよという人の割合が高いんだけど、それが大手の会社さんの有り方としたら、OECグループの様な地方のベンダーは、新卒はどうしても岡山出身で岡山の学校を出た人、もしくは岡山出身で中四国の学校を出た人、もしくは中四国出身の人になるのかなと思います。

そして、東京に行った人は中途で受け入れをして、さっきいった比率で行ければいいのかなと・・・。

できれば新卒の時に東京に出て行っている人たちが帰ってくる、という形になるのがいいのだけれど。

 

OECグループの社員は真面目でコツコツ一生懸命

齋藤:

OECグループの雰囲気というか社風というと。基本的には真面目でコツコツと働いている方が多いと思います。

まあ、時々大ぼら吹きのような人もいますけれど(笑)

OECもアイアットOECも利益の源泉となっているのは、開発だけではなくてその後のサポートだとか保守だとかどちらかと言えば地道なところで、ストックビジネスとして繋がっていってる部分が大きいですね。調査したり分析したりお客様が言われることをコツコツとやっているので、全体的にはそのような人が多いと思いますね。

写真:森社長  
   

森:

会社の社風や雰囲気というのは他と比べて際立っているのかどうなのかというのは他の会社との比較は分からないですけれど、上に強力な重しがない会社だから、割とみんなこれがやりたいとかあれがやりたいとか言えばやれるんじゃないかなと言う気がしますね。

また、みんなと楽しくやろうという気持ちはみんな持っていると思うので、そのあたりが醸し出せればいいなあと思っています。

齋藤:

アイアットOECは社内報を外向けにPDFでホームページに紹介してるんですよ。その中の社員旅行だとか、運動会やボーリング大会だとかの記事を取引先の人が結構見ているんです。ホームページを見て、社内報って何だ?と見て、運動会なんかがあると、「運動会とかされてていい会社ですね」と言われたりします。会社の雰囲気がわかるのでいいですよね。

社員旅行も運動会と同じで続ければいいと思うんですよ。

続け方は色々とあると思うんですが、旅行というのが単なる福利厚生だけと考えると 面倒臭い、行きたくない、という人も沢山いると思いますが、そうじゃなくて、同じベクトルを合わせるのに、旅行に行って同じ体験をして酒を飲んで、話を色々して、お互いの意思が確認されて、「ああ、そんなこと考えてるのか~」とか「じゃあ、一緒にしましょう」とかあると思うんですよ。なので「面倒だから行かんわ」というのは無くしたいですね。

プログラマーとかSEの方とかなかなか話す機会も無いので、多分彼らもそうだと思うんですよ。

他部署他部門の人と仕事以外の話もできる場を作って行きたいと思っています。ベクトルが合うという事は会社も組織もうまい事行くし、楽しく仕事が出来る。そういう事はいいんじゃないかなぁと思います。

森:

社員への福利厚生として何がいいのかは考えないといけないとは思いますけど、齋藤社長も言われたように、仕事以外の時に同じ時間を過ごすというのは非常に有効だろうと私は思いますね。

全員がまとまってやるというのは、それはそれでいいし、クラブ活動でアウトドアクラブとかソフトボールクラブだとか、華道部だとか、色々やってますけれど、そういったクラブ活動というのはもっと積極的にやって欲しいよね、もっと沢山クラブが出来て、オフの時に少人数で気の合う仲間で何かをやるという事は、組織の枠を超えた所で、そういう人たちが一堂に集うという事はいい事だと思っています。

囲碁クラブ将棋クラブなんかも復活して欲しいもんだなと思いますけどね。

齋藤:

将棋とかされるんですか?

森:

しません。(笑)

昔は有りましたよね。囲碁とか将棋とかは外国へ行った時に教えられる事はいい事だと思いますよ。

日本固有のものみたいなものができればいいだろうし、日本人が外国へ行って鶴を折って下さいと言われて、「いや、僕できないんです」とか言われると、なんか寂しいじゃないですか、それくらい折れないとね。日本人として海外に行ってもその甲斐がないよね。

 

就職活動をしている学生の皆さんへ

森:

採用試験の時に「アルバイトのことが・・・」しか話せないのはちょっと寂しいよね。学生という本分の中で、クラブ活動もいいけど学業がある中で、旅行に行ったりとか、学生ならではのことを経験して「私はこういうことをして、こういう感じを持ちました」とはっきり言えるような学生生活を送って欲しいですね。

齋藤:

そうですね。何かするときには情熱とか熱意を持って取り組んでおいて欲しいですね。
目標をもって、情熱を持って取り組んで、学生生活が幸せだったというような体験をして欲しいです。

写真:両社長  
   

森:

偉大なる平凡な人たちもどんどん受けて欲しいですけれど、たかだか300人強の会社なんで、野望のある人、「ワシが全部乗っ取ってやる」というような人もうちなら可能なんで(笑)大企業に行ったら社長になれる可能性は非常に少ない、役員や部長になれる可能性も非常に少ない。うちだと非常に高いから、よく言われる言葉に「鶏口となるとも牛後となるなかれ」という言葉があるけれど、野望を持った人は是非。ちょうど手ごろな会社だから。


2011/6/15